
クルーが配乗されるようになった。1980年代後半頃からコスト低減を目指した少数定員化を推進するために、ハパグロイド社を主として近代化船(ドイツではHigh−Tech−Shipと呼んでいる)の導入が積極的に取り組まれ、このハイテク船の運航に甲・機両用の教育を受けた部員(シップメカニカ)が配乗された。そして、その後1980年代後半末期になって、船舶職員にも両用教育が実施されるに及んで、現在デュアル・パーパス・オフィサーによって運航されるハイテク船が多くなっている。これに伴って、ドイツ籍船の乗組定員は、ハイテク船導入前の25人から18人になり、現在では14人に少数定員化されている。 ただし、甲・機両用の職員及び部員ともに配乗されているのはハイテク船だけで、在来船の乗組員では両用教育を受けているのは部員(シップメカニカ)だけである。 ドイツでは、ハイテク船の設備基準が法令で定められているわけではない。 ドイツの船員配乗は、国際条約の規定と同国の商船乗組員の定員・その構成及び資格要件、労働基準、環境保護等について定めた船舶配乗規則(1984年4月4日制定)に従っている。 そして、これら乗組員の免状資格は、日本の場合と同じように、在来船についてはSTCW条約の?U/2規則または?U/4規則に定める要件を満たす資格証明書となっているのに対し、ハイテク船に関してはこの在来船の乗組員資格要件の他に、反対部門の乗組員資格証明書を必要とする。 なお、ドイツのハイテク船には甲・機両用教育を受けた外国人は職員・部員ともに配乗されていないが、伝統的なシングル・パーパスの乗組貝としては、同国が第二船籍である国際船舶登録制度を導入していることもあって、多くの外国人船員が配乗され、現在ドイツ籍船に就労する船員16,300人のうち4,300人を占めている。 ?B 陸上支援及び洋上メンテナンス ドイツでは、ハイテク船に対する陸上支援や洋上メンテナンス等は船主と船員組合間の労働協約の問題として、業界の自主性に任されている。 従って、ハイテク船に対する陸上からの労務支援、整備支援それに洋上メンテナンスについては、ドイツでは制度化されておらず、船主の判断でケースバイケースで行われている実例があるにすぎない。 (4)フランス ?@ 船員養成 フランスは、甲・機両用の職員及び部員を養成する教育訓練システムを早くから実施し、同国の船舶には甲・機両用教育を受けた船員が配乗されている。フランスの甲・機両用の船舶職員養成コースは、船種・船型・機関出力・航行区域に制限のない4年
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